『少年と自転車』『メアリー・スチュアート』

 15日に映画サークルの、17日に演劇鑑賞会の2月例会を見ました。それぞれ簡単に感想を書いておきます。
少年と自転車
 見ていて、なんとも落ち着かない映画でした。それは主人公の少年シリルの気持ちがあまりにも映画、映像にあふれでてくるからです。
 彼は父親に棄てられ施設で暮らしていますが、週末だけ一人暮らしの美容師サマンサに里親になってもらって、彼女の元で暮らすようになります。
 しかし彼はあまりに幼く、誰が本当に彼を愛し、信頼するべき大人なのかを見極めることが出来ません。悪い仲間に誘われて強盗までしてしまうシリルが、反省して落ち着いた生活に入っていくだろう、と話の展開はするのですが、ぷつりと切られた映像に、不安を残しています。
 親に棄てられた子供の心情、その子どもの世話をしようという女の覚悟が非常によく描かれています。しかし、その激しさに戸惑う面もあります。
『メアリー・ステュアート』
 16世紀末の英国、イングランド女王エリザベス1世(樫山文枝)のもとにスコットランド女王メアリー・ステュアート(栗原小巻)が19年間幽閉されています。いろいろあって、そのメアリーがエリザベス殺害の陰謀を企てたという容疑で殺害されて、幕となります。
 単純な話ですが、その背景、人間関係や王室の権力争い、周辺国との関係、カソリックプロテスタントイギリス国教会があると思いますが、ややこしすぎてよくわかりません。機関誌等を見ると、それらは整理されていますが、それでは芝居の使命「人間の精神を描くこと」で、二人の女王対決から何が見て取れたのか、ちょっとわかりません。