最近は詩集を買うことも読むこともない日々です。それなのに、雑誌等を読んでいて、エッセイ等に引用されている詩を見て、時として目に留まってしまう詩があります。だいたいは、すぐに忘れてしまうのですが気になって、残るものがあります。
『売ったらあかん』  岡部伊都子
友達を 売ったらあかん
子どもらを 売ったらあかん
まごころを 売ったらあかん
本心を 売ったらあかん
情愛を 売ったらあかん
信仰を 売ったらあかん
教育を 売ったらあかん
学問を 売ったらあかん
秘密を 売ったらあかん
こころざしを 売ったらあかん
大自然を 売ったらあかん
自分を 売ったらあかん
自分を 売ったらあかん

『子ども』  ドロシー・ロー・ホルト
批判ばかりされた 子どもは
非難することを おぼえる
殴られて大きくなった 子どもは
力にたよることを おぼえる
笑いものにされた 子どもは
ものを言わずにいることを おぼえる
皮肉にさらされた 子どもは
鈍い心の もちぬしとなる
しかし、激励をうけた 子どもは
自信を おぼえる
寛容にであった子どもは
忍耐をおぼえる
賞賛を受けた子どもは
評価すること をおぼえる
フェアプレーを経験した 子どもは
公正を おぼえる
友情を知る 子どもは
親切をおぼえる
安心を経験した子どもは
信頼を おぼえる
可愛がられ 抱きしめられた 子どもは
世の中の愛情を 感じとることを おぼえる