『殿様と私』文学座/12月20日

加藤武の元気な姿を見ることができてよかったです。いやもちろん芝居も面白かったです。

明治の御世に、いまだに徳川封建時代が良かったと思い込んでいる、元大名、子爵の愚かさを笑うような芝居でした。しかし明治政府を作った人々に対する批判、今日の政権与党に通じるような、国民を軽視する思想に対する批判がちょっと弱い感じですね。
子爵の娘、足の悪い娘が自分の人生を歩もうとするところが拍手でした。それともう一つ、この芝居から見て取れる普遍的な価値がありました。
それは、人間は誰かの役に立っている、世の中に受け得れられていると思うことで、生きていけるということです。
藩を担い、藩の家臣や領民の生活に対する責任、例えそれが封建的なものであっても、それがあると殿様は生きていけるが、全てを取り上げられると酒びたりになるという、人間の見方であると思いました。