寒々としたもの、あれこれ

会員のみなさんへ
11月20,21日と市民映画劇場『おやすみなさいを言いたくて』でした。参加が本当に悪くて会場は寒々としたものでした。大赤字をまた抱え込みました。
これをご覧になっている映画サークルの会員のみなさんにお願いします。例会に来て下さい。このまま行けば神戸映画サークル協議会はつぶれます。本当に、心から訴えます。例会に来て下さい。
参加の少ない例会と比べても会員で50〜60人、一般で100人は少ないという状況でした。その原因は何かと考えると、パリのテロに思い当たります。
この映画は女性の戦場カメラマンを主人公にしており、予告編でも自爆テロなどが出てきました。そういうのを見るのはイヤだ、という感情があったのかもしれません。
というのは、一般参加でもシニア層が大きく減少しています。
知的水準
あまり偉そうなことはいえませんが、これが高級官僚、御用学者の最高峰に近い人の水準だと思うと寒々とします。
『地方消滅』と『地方消滅 創生戦略』を読んだ感想です。中心になって著作編集、対談したのは増田寛也さんです。彼は高級官僚から岩手県知事、総務大臣、そして東大客員教授です。
彼は「地方消滅」という言葉を使って人口減少社会の恐ろしさを、全国に振りまきましたが、それを知らしめたと言う点では評価します。でも、この本を読んだ限りにおいては、あまりにも浅い観点での論評でした。
それは人口減少について、現象の説明はデータを使ってしているものの、その原因についてはほとんど分析しないからです。
神野直彦さんの「『人間国家』への改革」を読めば両者の違いは一目瞭然です。
神野さんは工業社会の到来とともに急激な人口増加があり、脱工業社会を迎えたために人口減少となった、と分析しています。ですから人口減少にとらわれずに、脱工業社会をどのように構築するかの、と論を展開しています。
その説が正しいかどうかは別として、学者として原因を探って現状を分析し、未来に対する処方箋を書いています。
増田さんは原因についてほとんど言わずに漠然とした「処方箋」という対処療法を書いています。
その続編では富山和彦さんとの対談を載せていますが、これまた、私からいわせれば変です。
一例で地方大学の活性化で、古典的な教養は要らない、一般的教養=技能を身につければいい、と言っています。シェークスピアではなく英語力の向上、経済原論ではなく簿記、憲法ではなく宅建合格、流体力学ではなく工作機械の使い方、だといいます。
それがまあ、支配層にとって都合のいい国民像ではあるのでしょうが、ここまではっきりと言い切る人も珍しいと思います。
それは思想的な保守革新とは
しかものこの本がミリオンセラーらしいです。おそらく地方自治体の関係者がたくさん買ったのでしょう。
もし無批判にこれを読んだとしたら寒々とします。
(続くかも、寒々としたものとして沖縄問題、TPPと思いつきますが、どこまで書けるやら)