2月の映画

コンサルタント』『この世界の片隅に』『たかが世界の終わり』『ユーリ・ノルシュティン特集』『ニュースの真相』『東京ウインドオーケストラ』『王様のためのホログラム』『スモーク』の8本でした。
2月は日数が少ないうえに、姫路マラソン等ちょっと忙しい月でした。
印象に残ったのはやはり『この世界の片隅に』でした。


戦前戦中の生活が素晴らしいと感じました。当然でが、私は知りませんが親から聞いたような世界です。
それはアニメの特徴の最大の特徴です。作者のイメージどおりに描けて、しかもその作者と見ているものが同調できれば、当然のことながら感動します。
さすがの私も、ラスト辺りで涙を流していました。
登場人物たちは、取り立てて声高に戦争反対とは言いませんが、8月15日の天皇の放送を聴いて怒り泣き叫ぶ姿に、耐えてきた人々、国民の多くの姿を見た思いです。
普通の人々は普通に耐えて、あるときはけらけら笑い、あるときは不安になったでしょうが、ほとんど自分で考えることがなかったのでしょう。だから「だまされた」と思ったのでしょう。
伊丹万作は「だまされた者にも罪はある」といいました。確かにそうですが、それがだましたものの免罪符になった、と思います。だましたものを糾弾しようとする人々を社会から浮き上がらせ、逆にレッド・パージを呼び込んだのではないかと思います。
この世界の片隅に』の原作には、すずの心に踏み込んでいるそうです。いつか読んでみようと思います。
『ユーリ』もアニメーションです。彼はロシアの作家で、世界中のアニメ作家に影響を与えています。昔に一度見ましたが、再度見ても、とても幻想的で『この世界』とはまったく感じが違いますが、とてもいいです。


『話の話』が一番完成度が高くて、いいのですが、私は言葉では説明できません。
今回はその他に『霧の中のハリネズミ』『アオサギとツル』『25日・最初の日』『ケルジェネツの戦い』でした。見ることが出来てよかったですね。
あとは『スモーク』ですね。これも1995年公開のデジタルリマスターで、そのときも見ました。ブルックリンの街角にある小さなタバコ屋を中心に、そこに訪れる人々の物語です。店主は20数年、毎日、自分の店を外から写真に撮っていますが、そこから物語が湧いてくるのですね。

犯罪も含めて下町の人々の生活と感情です。
最後に、近年でも珍しい腹が立つような駄作なのが『東京ウインドオーケストラ』です。あまり多くを言いませんが、コメディ映画で、嘘で固めているかもしれないが、それといい加減に描くのとは違います。