3月の映画

リバイバル』『マッド・ドライブ』『エリザのために』『フレンチ・ラン』『アイ・イン・ザ・スカイ』『恋妻家』『栄光のランナー』『彼らが本気で編むとき』『The・Net網に囚われた男』『ジムノペディに乱れる』『赫い髪の女』『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』『人妻集団暴行致死事件』『海は燃えている』『汚れたミルク』15本です。よく見たものです。3月は法要が2度もあってけっこう忙しい感じがありましたが、例会プロジェクト解説の担当でなかったので、時間がよく取れました。
しかもいい映画が多くあり、映画に関してとても充実した月でした。映画サークルの例会にしたい映画としては『アイ・イン・ザ・スカイ』『汚れたミルク』そして『エリザのために』をあげたいと思います。
ここでは、『アイ・・・』は西神9条の会のHPあげたし、例会の『栄光のランナー』は別途書こうと思いますので、それ以外で印象に残ったものを簡単に紹介し、感想をいうことにします。ネタばれもありますから、それをご承知おきください。
『汚れたミルク

この映画の副題は「あるセールスマンの告発」で、その通りの映画です。パキスタン多国籍企業ネスレで働くセールスマンが、ネスレの粉ミルクで脱水症状を起こして死ぬ赤ん坊を目の当たりにして、ネスレ内部告発する、と言う実話です。
粉ミルクを溶かす清潔な水がない地域に住む人々に、ネスレは医師を買収して、人々の無知に付け込んで売っています。このようなことは70年代からアフリカや開発途上国で何度か取り上げられてきました。しかしパキスタンのような国でしかも、映画によれば21世紀になっての事件です。
しかも映画は、内部告発したセールスマンの命が危ないことや、これをマスメディアが取り上げない状況まで明らかにしているのです。
大企業の犯罪を告発することは、どれだけのリスクがあるかをよく描いています。
『フレンチ・ラン』

これパリを舞台に、CIAが正義で、フランスの治安保安部隊(パリ市警かな)の悪と対決してやっつけると言う、なんとも奇妙はハードボイルド、アクション映画です。
テロリストたちが「爆弾テロを仕掛けた」と言う声明を出し、そのテロを未然に防ぐために、テロリストを逮捕をめざしてCIAが飛び回ると言う映画です。そこには裏があって、右と左を対立させて、その隙に大金をせしめようと言う筋書きを描いたものがいると言う映画です。
面白いと思ったのは、主役の二人、はみ出し者のCIA捜査官が体の大きな黒人で、それに無理やり協力させられるスリは体の小さな白人です。当然主導権は捜査官が握っています。
これまでのアメリカ映画における「人種的役割」から、少し外れているところが面白い。
『The・Net網に囚われた男

これは韓国映画で、漁船の故障で韓国に流れ着いた北の漁師が南の保安部隊に無理やりスパイに仕立てられようとする映画です。さまざまな拷問(肉体、精神的に)、理不尽な取調べがあり、韓国の警察の体質が暴かれます。
漁師は最後まで抵抗して、亡命もせずに北に送り返されます。彼は軍隊の特殊部隊にいたような設定にもなっています。
その北で、マスコミには「英雄」扱いされますが、そこでも保安部隊に理不尽な取調べを受けます。
最後は自殺するように、彼は殺されます。韓国も酷いが祖国ににも裏切られたと言う思いを描きました。

(続く)