前川喜平「安倍政治を総決算する」

9月27日「安倍国葬」の日に前川喜平さんの講演を聞きました。

 国家公務員の頂点、文部事務次官を務めた前川さんが見た安倍政治は、平和憲法と民主主義を破壊する、戦後最悪の内閣であった、そう私は聞き取りました。

 前川さんは「国葬」が国民の目を覚ましてくれるのでは、と締めました。私は彼に続く、高級官僚たちが政権の内幕を暴露してくれることを期待しました。

 日本を食い物にする霊感商法の広告塔を国葬するという、国辱的な最悪の日は、私にとって充実した日となりました。新長田文化センターに300人が参加しています。

13時30分から約2時間、一気に話をされました。前川さんの話を聞くのは三度目ですが、最も政治的だと思いました。気になった点を書いておきました。

・官邸の指示した加計学園文書を表に出したのは、前川さんが辞めた後、現役の官僚です。官邸や菅官房長官が「怪文書」と必死に否定したのを、前川さんは「あったものをないとは言えない」と言っただけでした。でもそこがすごい。

 この官僚たちも退職を迎えるようです。

・佐川元国税庁長官はどこにいるのか。マスコミも探しているのですが、誰も知らないようです。前川さんも知りません。日本国中に知れ渡った顔ですから、町に出歩けば誰かが見ていると思いますが、その情報がないといいます。

 前川さんは「私と並んで安倍政権の内幕を暴露しよう」といいます。

・アベスガキシダの違い。安倍は「嘘を重ね」菅は「なにもいわない」岸田は「中身のない丁寧な言葉を繰る返す」

・安倍の最大の罪は「国家公務員の人事の慣行を壊したこと」といいます。公務員の最大の関心事は人事で、それまでは政治家の介入を排除し、庁内の慣行が優先していました。それをアベスガ政権は「政権の方針に従わない者は飛ばす」を露骨に見せました。

 その典型は内閣法制局長官です。それまで長官は局内からの昇任でしたが、集団自衛権は「合憲」を認める外務官僚を長官に持ってきました。

 また菅に逆らい「ふるさと納税」を批判した財務官僚を閑職にとばしました。

 高級官僚たちはそれを見て震えあがったといいます。

 今回の「国葬」を閣議で決めたことを、内閣法制局は追認しています。国家公務員はそこまで堕落しているのです。

 これは第2次安倍政権からです。それを指南したのは葛西元JR東海会長です。彼は自民党総裁は首相になり国会議長と最高裁長官まで指名できるといいます。そして国家公務員の人事も差配できると教えました。

・高校無償化から朝鮮学校を排除したこと、教育勅語を復活させた政府答弁など、とてもリアルな文科省と政権のやり取りを紹介しました。そしてそういう動きは憲法を壊し「戦争ができる国づくり」をめざしているものと断言しました。

統一協会問題は、自民党(特に安倍派)は選挙協力を得て、広告塔の役割も果たしていますが、その見返りは権力の庇護、警察の捜査を抑えると言うことです。

・「国葬」に対し、10~30代は賛成が多いのが特徴です。でも、それを批判する国民の自覚も広がっているとも言います。