『グッド・ナース』『神宮希林』『さよならテレビ』『土を喰らう十二ヶ月』『私のおかあさん』『チャーチル~ノルマンディの決断』『ウォーハント魔界戦線』の7本でした。
なかなかの映画が多くありました。
『グッド・ナース』
看護師の殺人を暴く実話です。
心臓に重い疾患を抱えながらも、子どもを育てるために、きつい労働の看護師をしているエイミーの病院で立て続けに、急死する患者がでました。警察の捜査が入ります。
彼女は投薬ミスを疑い、それが新しい看護師が来てからだと気づきます。
新しく来た看護師、その男はとても親切で、よく気が付き体がきつい彼女を助けてくれていました。でも彼女は、死をもてあそぶかのような殺人を赦せなかったのです。
悩みながらも、彼女は警察に協力しました。とてもよくわかる映画でした。
『神宮希林』『さよならテレビ』
この2本は東海テレビ制作のドキュメントです。市民映画劇場50周年の記念例会で、プロデューサーの阿武野勝彦さんに講演してもらいました。『フルーツ人生』『ヤクザと憲法』等のヒット作品をとばしています。
『神宮希林』は樹木希林が、伊勢神宮の新宮遷都を見に行くという、ちょっと変わったドキュメンタリーでした。「お伊勢参り」と樹木希林は似合いません。
ですから映画の半分は彼女の日常の暮らしでした。内田裕也の話も出てきます。彼女はこの男に惚れていたんだ、そう思いました。
『さよならテレビ』は自局、東海テレビのニュース番組の裏側を撮りました。三人の人間を追います。一人は番組の顔に抜擢されたキャスター、そして欠員補充で雇われた新米で頼りない派遣社員、もう一人はベテランの契約社員です。
いずれもテレビ局の矛盾を体現していました。
ベテランの契約社員に彼のジャーナリストとしての考え方を、まるでヤラセのように語らせるところが気になりました。
『土を喰らう十二ヶ月』
水上勉が1978年に書いたエッセイの映画化です。彼が59歳の時に、長野の片田舎で自炊の生活を楽しんでいた、それを綴っています。
水上を演じる沢田研二はいい俳優だと思いました。とても喜んで芝居をしているように感じたのです。ドキュメントに近いと思いました。
『私のおかあさん』
母と娘の葛藤を描く映画でした。
ある日突然、夫婦二人で暮らす娘(長女)の家に、実家でボヤを出してしまった母親が、居候にやってきます。長女は母が苦手でした。
私には母と娘の関係は理解しがたいのですが、身近な存在は時として憎みあうこともある、それはそうです。
『チャーチル~ノルマンディの決断』
第2次世界大戦の最大の山場、ノルマンディー上陸作戦を聞かされた英国首相チャーチルを描きました。
その作戦は犠牲者が大勢出るから反対だといいます。彼は本当にそんな人間だったのでしょうか、とても人間らしい。
チャーチルは古い人間だと断定されて、世紀の大作戦は、米軍のアイゼンハワーとモンゴメリーが主導して強行されたと描きました。
この作戦は連合国側にも多くの犠牲を出しました。この映画を見て改めて思ったのは、無理押しをしなくとも、少ない犠牲の作戦を考えることはできたのではないかと思いました。
日本への原爆投下は連合国側の犠牲を少なくするためという「言い訳」がありますが、敵味方の被害を少なくしながら、戦争終結に導く道は、現実に起こりえたもの以外にもたくさんあったのではないかと考えさせられる映画でした。
『ウォーハント魔界戦線』
これは同じ対ナチスの戦争映画ですが、魔女の森に入った連合国軍という空想アクション映画でした。