『しのだづま考』

 一人芝居で、しかも講談や浄瑠璃語り、歌舞伎の演技等を盛り込んだ楽しい「芸能」というべきものです。演劇鑑賞会の新劇、というイメージから外れるのですが、年に1回ぐらいはこんなものもいいかな、という感想です。

 しかし異種婚姻は昔話の代表的なパターンですから、それからもう一歩も二歩も出た芝居を期待したのですが、残念です。昔話は神話であったり伝説であったりしますが、その時々の人々の願いを反映しているものです。ですから、その時代を風刺していたと思います。
 その伝で言えば、現代のどのように含ませるかが、この種の芝居をするうえで大切なことです。