第54回自治体学校in浜松

 7月21,22,23日「みんなでつくるホンモノの地方自治」というテーマを掲げた自治体学校に行ってきました。正直なところいささかショックを受けて帰ってきました。


 会場は浜松駅のすぐ北側のアクティ浜松です。超高層ホテルの下が公共のホールになっています。なかなか良い会場です。
 自治体学校に、最初に参加したのは30才過ぎだったと思います。2年に1回のペースだとしても、もう10回以上行っています。行く動機はちょうどその頃から、勉強しなくては、と思う、やっと己の非力に気づいた時期です。ですからかなり真剣に聞き、ノートをとりました。
 講演も分科会も、いつも新鮮な感じで頭に入ってきました。
我々は何をしてきたのか
 今回の自治体学校で、何がショックだったか言えば、学校長が閉会の挨拶で、社会の劣化、自治体の劣化、研究所の力の低下を述べたことです。私も薄々感じていたことですが、自治体学校長から言われるとショックです。
 私もすでに56歳で、今の社会に対する責任を追う年齢です。それが我々が若いときに感じた、足りないけれども前を向いて歩く社会、から大きく変わったということに、それは努力したけれども、そう変わってしまった、ということに、わかってはいたけれどもショックでした。
 あるいは、私が感じた先輩たちの大きな背中を、自分が後輩たちに見せていないのか、と思うと忸怩たるものがあります。
もう少し全体を見るべきでは
 分科会は「人間尊重のコミュニティづくり」でした。元々あまり期待はしていなかったのですが、話題が生活保護の問題に流れていったのは残念です。
 発言者は議員さんに多くて、それはそれで切実な重要課題であるとはわかっているのですが、コミュニティ作りはかなり幅広い課題で、社会の根幹を成す問題だと思っていますから、「最後のセーフティネット」といわれる生活保護とはちょっと違います。
 そこまで行かない社会を作るということです。それを浮き彫りにするような、話にならなかったということです。
 私は市民社会をどう作るのかが、21世紀の課題であると思っています。欧州、とりわけ西欧はそれが進んでいますが、それでも新自由主義や統合EU、移民問題でゆれていると思います。
 アジアはどうかといえば、西欧型民主主義が根付いていませんから市民社会の概念そのものが不明だと思います。
 日本は自治体合併、人口減少、少子高齢化、そして3・11もあって、いまひとつの転機であると、私は感じています。だから、そういったことが、各地でどのような変化を生み出しているのかが知りたかったのです。
浜岡原発廃炉

 渡辺敦雄さんの話はわかりよかったのですが、全体の時間が1時間と短くて残念でした。渡辺さんは、東芝原発の設計に携わっていた技術者で、前沼津高専の先生だったそうです。
 原発の基本的な仕組みや根本的な問題等わかりましたが、渡辺さんが生徒たちに言う「面従腹背」に引っかかりました。原子力ムラの問題ですが、それを如何に変えるか、という話(おそらくされているのだと思います)を強調してほしいと思いました。
 私の経験から言っても、面従腹背では生きていけないと思います。いろいろあっても仲間を捜すことが大事だと、そして一緒にたたかうこと、戦うことで仲間が増え、生きやすい環境を作り出すことが出来る、という展開がほしかったです。
 それにしても浜岡原発は断層の巣に建っているのです。