従軍慰安婦「誤報」問題

讀賣新聞はほとんど読まない。時間の無駄だと思っている。わずかに讀賣ジャイアンツが負けたときのスポーツ欄を読む。しかし今回はけっこうな分量を読んだ。それは標記の朝日新聞誤報に対する一連の批判記事だ。
8月28日から「検証 朝日『慰安婦』報道」という特集が組まれている。29日には[朝日]が出した弁明記事に対してもほぼ一面を使って批判している。
それらを読んで、この記事を書いた人は恥ずかしくないのかな、と思った。
それは戦時中に日本軍の管理の元に従軍慰安婦と呼ばれる「性奴隷」がいたことははっきりしている。そういう事実に対して「『日本軍に強制連行された慰安婦』と『親から身売りされた不幸な慰安婦』では、意味合いがまったく異なる」という感覚である。
ジャーナリズムの罪とは
今、靖国史観ジャーナリズムは大々的に[朝日]を批判している。雑誌「WiLL」は緊急特大号を出している。
[朝日]が報じた吉田清治証言は、当時から多くの研究者が虚偽の指摘をしていたと言われる。そして今回の[朝日]8月5.6日記事は「謝罪、訂正」となっているのか、誤報の原因を解明しているのか、それは疑問だ。
中央大学教授の吉見義明さんは「今回の紙面を読んでも、慰安婦問題の何が課題で、何をする必要があるのか、朝日新聞が考える解決策が見えてこない」と書いた。
[朝日]は裏づけを取れない記事を書き、その訂正、謝罪も不十分という、靖国史観のジャーナリズムを付け入られるような軽率さを感じた。
だが、「河野談話」を否定し、国連人権委員会の指摘とも向き合わない[讀賣]はもはやジャーナリズムといえない。