参議院選挙、来週が投票日

2/3
参議院選挙が盛り上がっていない。特にテレビでは選挙の争点を明確にするように特番はない。
今回から有権者が18歳以上になるとか話題があるが、今回の選挙で問われるものが明確になっていないように思う。そのためかどうか、序盤の世論調査による選挙情勢は与党が圧倒的有利だ。自民党だけで過半数、自公と維新を加えた改憲派が2/3を超えると報じられている。
今回の選挙の争点は、安倍政権に改憲発議できる2/3を与えるかどうかだと思う。
国民は、本当に「憲法改正」を良しとしているのだろうか。
選挙の争点、新聞の見解
6月23日付に各紙が政治部長等の見解を載せた。それを見てみる。
[朝日]は「首相は逃げずに議論」という見出しだ。安倍政権は2014年選挙で圧勝したが、そのときに約束した消費税増税延期し引き上げ時期を明言したことを、今回違えた。「まず語るべきは公約違反の責任ではないか」という。
そして憲法の議論を避けている、と批判した。
[毎日]は「これまでとは違う」という見出しだ。それは、これまでの参議院選挙は政権選択ではなく「軽くみられがち」だが、政権へのお灸的な結果もあった。
今回は「『憲法改正』という戦後日本で長きにわたって封印されてきた政治テーマが、具体性を持つ初の機会となる」と位置付ける、と明確に言う。
[日経]は「将来不安の解消こそ争点だ」が見出しだ。「なんともとらえどころのない選挙」という書き出しだ。与野党ともに有権者の「一番の関心事である給付と負担」を語らず、自民党改憲を語らないという。
国民が一番感じていることは「将来不安」だという。
讀賣]は「『安倍1強』継続か否か」という見出しだ。「今後の政権の行方を占う参院選だ」と書くが、明確な争点は取り上げない。
[産経]は「迫る危機 各党覚悟は」という見出しだ。その危機は北朝鮮であり中国という。さらにトランプ、人口減少・少子化対策とかもかいている。
[神戸]は、政治部長等の記事はないので6月22日の社説を見る。「未来への責任を語っているか」という見出し。問われるのは「安倍政治」で、3年半で進んだのは「選挙で正面から問われなかった憲法解釈の変更や安全保障政策の転換」と率直に指摘した。中見出しに「問われる公約違反」と「『3分の2』の意味」で、それぞれ消費税増税を先送りした責任を語っていないことや、改憲問題では政権与党の公明党の公約にはそれを一切触れていない、と指摘する。
隠されているもの
安倍政権に批判的な新聞は明確に「改憲」発議の2/3を選挙の争点にしている。安倍政治支持派は争点を出さない。
新聞は、それなりに政策について特集を組んでいるが、あまり注目されていないのは野党が統一候補を出した意義だ。それはもっと深められるべきだと思う。
民進党共産党は、1960年代70年代の社共共闘のようには行かない。1989年の労働戦線再編の時に楔が打ち込まれた。共産党は分裂を選び、連合の中枢部は政権側に取り込まれ反共で凝り固まった。
これを元には戻せない。それを前提に考えると、今回の野党共闘は非常に評価できる。
その価値を国民に知らせる必要がある。政策が違っても「安倍政治を許さない」と旗の元に集まった。頑張れ。