第31回言論の自由を考える5・3集会 

1987年5月3日、朝日新聞阪神支局に赤報隊と名乗る一人の男がやってきて、そこに居合わせた新聞記者を散弾銃で打つという事件がありました。一人は殺され、一人は重傷を負いました。その犯人は捕まっていません。
この事件を風化させず、暴力に負けない言論を考えるために、その翌年から朝日新聞労組が主催して集会を続けています。

今年は「異論も届けたい ポスト平成のメディア」でした。
パネリストは宇野常寛(評論家)たかまつなな(お笑いジャーナリスト)近藤康太郎(朝日新聞日田支局長)コーディネター古田大輔(バズフィード・ジャパン創刊編集長)でした。いずれも私はあまりよく知らない人々です。

パネルディスカッションですからに詰まった議論にはなりませんが、テーマはこれからのメディアということです。新聞はもう古い、記者の感性の問題もあり、社会を映していない、というのが大方の意見でした。
それならどうするかですが、当然インターネットを使ったメディアを考えていこうというものです。しかし入れ物は出来てきたが、そこに入れる「新しい酒がない」というのも大方の意見です。
取材に基づいて、読者の方を向いた記事が必要ということになりました。
でも誰が、どのように書くかが難しいということでしょう。
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開会の挨拶で、新聞労連委員長が、事務所に「森友、加計事件は朝日の捏造だ」と言う電話が非常に多くかかってくる、財務事務次官のセクハラ批判にも苦情がある、という話をしました。ものごとの真偽や道理を考える前に、気に入らない意見には「匿名」の立場で批判する風潮がやまないと、思いました。