2011-01-01から1年間の記事一覧

避難勧告と避難指示

紀伊半島に大きな水害が生じた。今日9日にNHKが特集を組んでいた。それを半分ぐらい見た。半分ぐらいだから、あまり偉そうにはいえないのだが、この放送は、今回の被害をどのように報道しようと思ったのだろうと、大いに疑問がわいた。それであまり考えも…

『だるまさんがころんだ』燐光群

9月2日に見ました。 物語性よりもメッセージ性が強い演劇で、演劇鑑賞会では珍しいタイプだと思います。「現代性がない」と批判してきた私から見れば、まさに現代の世界の課題のひとつを突きつけた演劇(これは芝居というより演劇といいたい)ですので、それはそ…

ウエイトコントロール

スポーツクラブに行き始めて10年が過ぎた。手帳を繰ってみると、2001年5月に入会している。ほとんど水泳ばかりをやってきた。 はじめは自己流の平泳ぎ、それから水泳教本を見ながらクロールを勉強していった。泳ぐ距離も10分で200m(4往復)がやっとという状…

「夜の橋」藤沢周平 文春文庫

久々に藤沢周平を読んだ。映画サークルのボランティアスタッフの方が、毎月、時代小説を7,8冊持ってきてくれる。そのうちの何冊かを読むのだが、いつもは知らない作家のものにしている。せっかくだから読みなれたものではないものと思って読む。 しかし今…

8月14日の社説

終戦記念日を前にした社説を読んだ。全国紙5紙と[神戸]だ。当然だが東日本大震災を踏まえた、今後の日本について書いている。そして、多くがその起点を戦争と戦後の見方においている。 [神戸]に拍手 短いが[神戸]が一番わかりやすくよかった。それも含めて…

「武士の家計簿」

なかなか見ることが出来なかったのですが、8月21日の朝やっと見ることが出来ました。森田芳光監督の傑作、という評価をしたいと思います。 加賀藩猪山家の家計簿に基づく映画です。時代劇映画に付き物のチャンバラのない映画ですが、「そろばん侍」と自称す…

「ふたたびの虹」柴田よしき

よその町に行ってぶらぶらと商店街を歩いていて、古本屋を見ると必ずといってよいほど、店を覗きます。日本全国、出回っている本にそう大きな違いはないので、その地方の「特産」などというものはないのですが、古本屋が好きなのです。(そんなことはなかった。…

「パチャママの贈りもの」

8月19日20日と市民映画劇場8月例会「パチャママの贈りもの」でした。監督の松下俊文さんにも来ていただいて、盛り上がった例会です。 松下監督には20日の夜まで付き合ってもらいました。本当にありがとうございました。 さて映画ですが、アンデスの風が吹くボ…

志村喬記念館

8月13,14,15日と養父市餅耕地に帰ってきました。その途中、生野で志村喬記念館に寄ってきました。 生野の鉱山技師の息子が芝居に惹かれて俳優になりました。疑うこともない日本映画界を代表するの名優です。黒澤明のイメージする男でしょう。 但馬に行かれる…

「パチャママの贈りもの」例会学習会

8月例会「パチャママの贈りもの」の監督、松下俊文三に来ていただいて学習会を行いました。 9.11をニューヨークで経験した松下さんは、それまでの約30年のアメリカでのテレビ制作者の仕事を振り返って、そうではない、別の道を探してボリビアに行ったそうです…

全国紙の8月6日社説

だいたい予想された範囲だが、感想を述べたい。 核廃絶を深めると 「朝日」と「毎日」が「神戸」と同様に核兵器の廃絶だけではなく「人類は核と共存できない」という論調を明確にしている。しかし核兵器廃絶は「緊急の課題」であり、その気になれば出来る問題だと…

8月6日の神戸新聞社説

世論誘導に違和感 久しぶりに新聞について書く。この間に、東日本大震災と原発に関する、いろいろな報道、事件があったけれども頭の中が整理できなくて、なかなか書くことが出来なかった。しかし6日の社説や原爆式典の記事、7日の新聞を読みながら、何かお…

「大鹿村騒動記」「黄色い星の子どもたち」「小川の辺」

面白かった順番に話をすると、まず『大鹿村騒動記』だ。原田芳雄を筆頭に芸達者が勢ぞろいしている。昔あったヤクザ映画のごとき、中堅スターオンパレードの見ていて疲れるようなものではない、ほのぼのとやわらかく、それでいて存在感のある、ゆったりした…

「暴雪圏」佐々木譲 新潮社

彼の本ばかり読んでいるのではないけれど、ここに紹介したいと思う、面白い本は、やはり佐々木譲になってしまう。 舞台は北海道。4月のある日、「彼岸荒れ」という季節はずれの大嵐(大雪と大風)に襲われた町の一昼夜。嵐は瞬く間に、その町を雪でとざし、一…

「坂手洋二さんのお話を聞く会」

7月30日、9月の神戸演劇鑑賞会「だるまさんがころんだ」の作・演出で、この芝居を演じる劇団「燐光群」主宰の坂手さんの話を聞いた。 一言で言って「面白いけれども忘れてしまう」 なぜなら、話に脈絡がなくて、でも一つ一つは面白い。何かすごいことをやっている…

「エル・スール」神戸演劇鑑賞会

7月22日に芝居を見た後、親しい友人と飲みながら色々な話をした。 私の芝居の感想は、九州の人は怒るのではないだろうか、というものである。 時代は現代の東京から、昭和33年の博多に逃げ帰ってきた男の話だった。昭和33年こそが彼の原点だった、というもの…

第53回自治体学校=奈良

7月23,24,25日と奈良で自治体学校があり、参加した。映画大学と違ってたくさんの講師の話を聞けるわけではないが、それでもリレートークを含めると7人だから、数は一緒だ。 中身の紹介は順次やっていくが、全体的な感想は、難しい局面ではあるが各地でがん…

第40回映画大学

7月15日16日17日と広島で映画大学があった。今回も多彩な講師で「充実」とまではいえないが、それなりに面白い講座であった。中身の紹介や講演内容については、おいおい書き込んでいくとして、とりあえず講師の写真をアップしておこう。 全体として多彩でバラ…

「闇の列車光の旅」の背景

標記の映画が市民映画劇場の7月例会です。その背景を私が書きましたので、ここで紹介しておきます。中米の実態の一端が描かれています。しかも若い男女の心惹かれあう姿が、とても純粋です。きっと気に入ってもらえると思います。 是非ご覧ください。 http:/…

『冒険者カストロ』佐々木譲 集英社

佐々木譲は本当に幅広く書く作家です。これはミステリーとか冒険小説ではない、キューバ革命を戦い、その後キューバの指導者としてアメリカと戦い続けているフィデル・カストロの伝記です。 しかもカストロ自身は伝記を書くことを許していませんから、いわば…

原水爆禁止、平和大行進

7月9日の午後、西宮市役所から御影公会堂まで歩きました。 西宮市役所前に平和非核都市宣言がありました。 この日はいい天気でとても暑かったのですが、木陰を通ると風が吹いてきました。 平和大行進は毎年のように参加しています。神戸を通るのは7月10日な…

「ラテンアメリカの光と影:23世紀を生きる人々と社会」高橋百合子

7月8日、7月例会『闇の列車、光の旅』の学習会です。神戸大学国際協力研究科の高橋先生に来ていただきました。表題の23世紀にはいささか驚きましたが「世界はラテン化する」という先生の見通しは、確かにそうなる、と共感しました。 まず、先生のレジュメの…

「悲しみのミルク」

7月2日は忙しい1日だった。午前中は塩屋で都市計画道路・塩屋多井畑線の計画変更素案の説明会。午後はプールで1.5km泳いで、それからKAVCで『悲しみのミルク』を見て、新長田のベトナム料理店で映画サークルの交流会。交流会には新しい人が結構来ていて…

「白夜行」「最後の忠臣蔵」

両方とも期待はずれ。『白夜行』の方がまだましだった。 『白夜行』 東野圭吾は嫌いではないのだが、続けて本を借りることはない。おそらくそこで描かれる人間像に魅力を感じないためだ。『白夜行』は東野文学の最高峰、という売り文句だが、やはり残念なが…

「ルールとコミュニケーションによる景観まちづくり―景観の「値段」で考える」大庭哲治

6月28日兵庫県地区計画推進協議会主催の学習会に参加した。せっかく尼崎まで行ったのだが、あまり得るところはなかった。 景観を「値段」で考えることが新しいのだが、「値段」とはなんだろう。マルクス経済学では一般的に「価値」(使用価値と交換価値)だ…

神戸ブレヒトクラブ創立25周年記念シンポジウム”今、演劇・映画は必要か?”

本当は[学習]に入れたかったのだけれども、そういえる内容はなかったので、日常にした。 劇団どろの場所を知っただけで、今回は良しとしなければならないか。餃子と日本酒がうまかったから、そんなに文句を言うべきではない。 しかし神戸の演劇鑑賞会や映画…

『マイバックペイジ』

こういうのを、もしかしたら我が儘というのかもしれない。描いていることは真っ当な事で、不満はないのだけれども、あの時代や日本の中にある変革の力を描くのなら、いや描くまで言わないが、70年代をもう少し正面から見るのなら、あの時代から現代に続いて…

「命の終わりを決めるとき」朔立木 光文社

この本には、表題に沿った2つの中篇が収められている。作者は殺人事件などを身近に知りうる立場なのだが、それぞれの作中人物の心理を書き分ける筆力も相当のものだと思う。 両方とも実際に会った事件から材を得ている。そして検察や警察を鋭く告発している…

『アパッチ砦の攻防』劇団東京ボォードヴィルショー

6月19日神戸演劇鑑賞会の6月例会でみた。「2時間笑いっぱなしの喜劇で、久々にお腹いっぱい楽しみました」(京都労演HP)であるかも知れないが、私には残念ながら空疎な笑いでしかなかった。 何も「武器としての笑い」を求めるものではないが、芝居を見た…

『ピリペンコさんの手づくり潜水艦』

6月17日18日市民映画劇場6月例会でした。 参加者はいまいちでした。テーマがかなり明確で「大作」といったものは、そこそこであっても、この映画のような「ふんわり」としたものは、一般からの参加は少ない。だから会員を増やして、映画サークルファンに依拠…